
SillyTavernロアブックガイド:もっと簡単な道
SillyTavernのロアブックを使いこなす:作成から高度なキーワードトリガー、キャラクター専用ブック、トラブルシューティングまで。
概要
SillyTavernロアブックガイドの基本として、SillyTavernのロアブックとは、キャラクター、世界、出来事のエントリーを集めたもので、キーワードをきっかけにAIロールプレイの会話へ文脈情報を挿入します。ロアブックは動的な記憶の保管庫として機能し、キャラクター、場所、物語の細部を、手作業でプロンプトを書かなくても自動的に呼び出せるようにします。
SillyTavernのロアブックとは?その仕組み
SillyTavernのロアブックは、エントリーを収めたJSONベースのファイルです。各エントリーには、キーワードのセット、深度/優先度、そしてキャラクター、場所、アイテム、出来事を説明するテキストのブロックがあります。チャット履歴や最新のメッセージにキーワードが現れると、SillyTavernは対応するエントリーをAIのコンテキストウィンドウに挿入します(通常は「post-history」挿入モードで、プロンプトの終わり近く)。エントリーを「constant」に設定して、常に読み込むようにもできます。ロアブック1冊あたり最大1000エントリーに対応していますが、実際の上限はコンテキストのサイズ(例:ほとんどの無料APIでは4096トークン)次第です。各エントリーには、複数語のトリガー用の「secondary key」欄と、エントリーが毎回起動するか、ときどきだけ起動するかを調整する「probability」スライダー(0〜100%)があり、ランダムな出会いの演出に便利です。「role」(system、user、assistant、character)を割り当てて、エントリーを会話として整形することもできます。ロアブックは/data/default-user/lorebooks/フォルダに.jsonファイルとして保存されます。最大の利点は、ロアブックがメインのキャラクターカードから記憶を切り離し、確定した事実を忘れさせずに、AIを現在のシーンに集中させられることです。
手順ごとに解説:最初のロアブックエントリーを作る
SillyTavernを開き、「Lorebook」タブ(左サイドバーの本のアイコン)に移動します。「Import」をクリックして既存の.jsonを読み込むか、「Add Entry」で新しく始めます。空のエントリーには次の欄があります。Primary Keywords(カンマ区切り、例:「tavern, inn, bar」)、Secondary Keys(代わりのトリガー、例:「The Drunken Dragon」)、Content(起動したときに挿入されるテキスト。効率のため300トークン未満に)、Depth(0〜50の整数。深度が高いほどエントリーはAIの注意の近くに置かれます。基本的な事実には10、重要な展開には30を使いましょう)、Probability(100%=常に起動、50%=2回に1回)、Role(ナレーションには「system」、キャラクターのセリフには「character」)、Group(複数のエントリーをタブの下で整理するため)、Is Constant(チェックするとキーワードを無視して常に読み込み)。酒場の場合、キーワードを「tavern, inn, barkeep」、内容を「錆びた釘亭にはオークのテーブル、燃え盛る暖炉、そして黒板で意思を伝える無口な店主グレゴールがいる」とします。深度10、確率100%、ロールはsystem。保存します。「酒場に入る」と入力して試してみましょう。AIがグレゴールに触れるはずです。
高度なトリガーのテクニック:正規表現、確率、ロールタグ
単純なキーワードの一致だけでなく、SillyTavernのロアブックは、エントリーごとに「Regex」トグルを有効にすることで、「Secondary Keys」欄での正規表現トリガーに対応しています。\bsword\b|\bblade\bのようなパターンを使えば、両方の単語に一致させられます。確率スライダーを使えば、予測できない設定を作れます。「隠し扉」のエントリーを20%に設定すれば、AIはときどきしかそれに触れず、探索を促せます。ロールタグ(system、user、assistant、character)は、エントリーの整形方法を決めます。「character」ロールのエントリーは、コンパニオンが話したかのように挿入されるので、NPCの経歴に便利です。「system」ロールのエントリーは中立的な物語上の事実のままです。「Group」欄を使って、エントリーを折りたたみ可能なグループ(例:「NPC」「場所」「クエスト」)に整理すれば、後の編集が楽になります。強力なテクニックがあります。「*」(ワイルドカード)のようなキーワードでエントリーを作り、確率を1%に設定すると、あらゆるシーンにランダムな雰囲気の描写(例:「空気に雨の匂いがする」)が挿入されます。深度は思っている以上に重要です。深度が30を超えるエントリーは、メインのプロンプトの後、ユーザーの最新メッセージの前に配置されるため、影響力が大きくなります。進行中のシーンを上書きすべきではない受動的な世界の事実には、深度1〜5を試してみましょう。
キャラクター専用とワールドロアブック:それぞれの使いどころ
SillyTavernでは、ロアブックを個々のキャラクターに紐づけることも、グローバルに有効にすることもできます。キャラクター専用のロアブックは、独自の経歴やアイテムを持つコンパニオンに最適です(例:その魔法使いとチャットしているときだけ起動する呪文書)。割り当てるには、キャラクターカードを開き、「Advanced」タブでドロップダウンからロアブックを選びます。ワールドロアブックはどのキャラクターでも読み込まれ、継続的に登場する場所(複数の冒険にまたがって出てくる酒場)や普遍的なルール(魔法体系、地理)に最適です。目安はこうです。設定が1人のキャラクターに関わるならキャラクター専用に、舞台全体に関わるならワールドロアブックを使いましょう。キャラクターごとに最大5冊のロアブックを重ねることもできます(キャラクターエディターの「Lorebooks」タブから)。ロアブック間でエントリーが重複すると衝突が起きることがあり、2つのエントリーが同じ場所を別々に定義していると、AIが混乱するかもしれません。これを避けるには、「World_Tavern」と「Character_Wizard_Spellbook」のような階層的な命名規則を使いましょう。パフォーマンスの面では、ワールドロアブックはメッセージのたびにすべてのキーワードをスキャンするため、大きなコンテキストウィンドウでの遅延を避けるには、有効なロアブック全体でエントリーの総数を300未満に抑えましょう。
ロアブックのよくある落とし穴とデバッグ方法
最もよくある問題は、エントリーが起動しないことです。まず、キーワードが実際にチャットに現れているかを確認しましょう。大文字と小文字は区別しませんが、完全一致です(正規表現を有効にしない限り部分一致はしません)。次に、エントリーの確率が0%になっていないかを確認します。3つ目に、ロアブックが有効になっているか(Lorebookタブのトグル)を確かめます。4つ目に、エントリーの深度が低すぎて(例:深度0)コンテキストのサイズで切り詰められていないかを確認します。コンテキストウィンドウがいっぱいになると、SillyTavernは深度の高いエントリーを優先します。もうひとつの落とし穴は、コンテキストの詰め込みすぎです。深度50のエントリーが50個あれば、すべてが限られたトークンの枠を奪い合います。深度は控えめに使いましょう(ほとんどのエントリーは深度1〜10)。AIが設定を無視するなら、「Prompt Item Manager」(キューブのアイコン)を開いて、何が挿入されているかを正確に確認します。「Lorebooks」セクションで自分のエントリーを探しましょう。見当たらなければ、キーワードが一致しなかったか、エントリーが深すぎて切り捨てられたということです。また、長いエントリー(200トークン超)は切り詰められることが多いので、各エントリーは150トークン未満にしましょう。最後に、エントリー間でキーワードの重複を避けましょう。最初に一致したエントリー(深度、次に順番)が優先されます。
基本の先へ:ロアブックで動的なワールドイベントを作る
ロアブックは静的な百科事典にとどまらず、展開していく物語を動かすこともできます。「quest, task, mission」のようなキーワードで「Plot Hook」のエントリーを作り、そのたびに新しい目的を生み出す内容(例:「山奥の失われた鉱山の噂を耳にする」)を入れます。確率を50%にすれば、言及されるたびにクエストが発生するわけではなくなります。期限のあるイベントには、日付を入れた「Constant」エントリー(例:「収穫祭は3日後に始まる」)を使い、ゲーム内で日が過ぎるたびに手作業で更新します。ロアブックを連鎖させることもできます。起動したエントリーに、別のエントリーを起動するキーワードを含めるのです(例:酒場のエントリーが「グレゴール」を起動する)。これには慎重なキーワード設計が必要です。上級ユーザーの多くは、キャラクターの持ち物をロアブックとして保存しています。各アイテムがひとつのエントリー(キーワード:「potion, health potion」)で、その説明が内容です。プレイヤーが「ポーションを使う」と言うと、エントリーが起動し、AIにアイテムの効果を思い出させます。本当に動的な世界を作るなら、ロアブック連携付きの[SillyTavern's Extras](https://github.com/SillyTavern/SillyTavern-Extras)を検討しましょう。ただし、追加のセットアップが必要です。可能性は大きく、広大なRPGキャンペーンのために500以上のエントリーを持つロアブックを運用しているユーザーもいます。
よくある 質問
AIコンパニオンについて知っておきたいこと。
Lorebookタブを開き、ロアブックのカードにある3つの点をクリックして「Export」を選びます。.jsonファイルとして保存されます。設定メニューからすべてのロアブックを一括エクスポートすることもできます。
はい。ロアブックは、APIに送信する前にプロンプトへテキストを挿入する仕組みなので、どのバックエンド(OpenAI、KoboldAI、Claudeなど)でも動きます。特別なAPIの対応は必要ありません。
厳密な上限はありませんが、300トークンを超えるエントリーはAIのコンテキストウィンドウで切り詰められることがよくあります。確実に動かすには、エントリーを200トークン未満に抑えましょう。
キーワードの一致、確率(0%より大きい必要あり)、深度(高いほど残りやすい)を確認し、ロアブックが有効になっているかを確かめましょう。Prompt Item Managerで挿入されているかを確認できます。
SillyTavernは.jsonファイルしか読み込めません。ロアブックのスキーマに合わせたスクリプト(例:Pythonのcsvモジュール)でCSVをJSONに変換できます。GitHubにはコミュニティ製のツールもあります。
エントリーエディターで「Is Constant」にチェックを入れます。常時有効のエントリーはキーワードを無視して常に挿入されますが、深度とコンテキストの制限には従います。
はい。キャラクターごとに専用のロアブックを持たせられます。ワールドロアブックはすべてのキャラクターに適用されます。複数キャラクターでの会話では、紐づいたすべてのロアブックが読み込まれるため、すぐにコンテキストが埋まってしまいます。エントリーの総数を制限しましょう。
キャラクターカードの説明は常に挿入されます。ロアブックは条件付きで、キーワードによって起動します。中心となる性格には説明を、広げられる世界の設定にはロアブックを使いましょう。
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